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どこまでの行為をすれば不貞になるのか

最終更新日:2022年2月19日

1 性交渉以外は不貞にあたらない?

離婚・男女問題に関するご相談をお受けしていると、「不貞とは、どこまでの行為を意味するのですか?性交渉をしていなければ不貞にはならないのですか?」といった質問をされることがあります。

「不貞」という言葉からすぐにイメージするのは「性交渉」だと思いますが、はたしてこの理解は正しいのでしょうか?

性交渉はしていないものの、性交渉類似の行為(ペッティングなど)をしていた場合には「不貞」とはいえないのでしょうか?

この記事では、「不貞とは何か」を掘り下げて解説いたします。

2 不貞についての伝統的な理解

なにをもって「不貞」とするかについて、伝統的な理解では、「姦通」(配偶者以外との性交渉)を意味するとされていました。

まさに、性交渉そのものが「不貞」であるとされていたわけです。

しかし、現代において、「性交渉以外は不貞にあたらない」という硬直的な解釈を維持することは妥当なのでしょうか?

例えば、結婚をしている夫婦のうち、妻が、女性との同性愛行為に及んだ場合はどうでしょうか?女性同士の場合は性交渉を行うことはできませんから、「不貞にあたらない」という結論になるのでしょうか?

3 近年の裁判例の傾向

近年の裁判例は、少なくとも不貞慰謝料を請求する場面では、不貞の概念を柔軟に捉える傾向にあると思われます。

やや特殊な裁判例ですが、東京地方裁判所・令和3年2月16日判決を参考事例として挙げます。

この裁判例の事案は、妻と同性愛行為をした女性に対し、夫が不貞慰謝料を請求したものです。

女性同士の性的行為ですから、性交渉はできません。判決で認定されたのは、胸や下半身を舐めたり、陰部を触るといった行為にとどまります。

しかし、裁判所は、以下のとおり述べて、上記行為が不貞にあたると認定しました。

「不貞行為とは、端的には配偶者以外の者と性的関係を結ぶことであるが、これに限らず、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する蓋然性のある行為と解するのが相当であり、必ずしも、性行為(陰茎の挿入行為)の存在が不可欠であるとは解されず、夫婦共同生活を破壊し得るような性行為類似行為が存在すれば、これに該当するものと解するのが相当である」

つまり、「不貞=性交渉」ではなく、「不貞=性交渉のほか、性交類似行為も含む」という風に不貞の概念が拡張されているということです。

4 筆者の私見

上記の裁判例は同性愛の事案でしたが、異性愛の場合であっても、基本的な考え方は変わらないでしょう。

例えば、夫が、妻以外の女性と「性交渉に至らない性交類似行為」をした場合であっても、不貞にあたり得るという結論が妥当だと思います。

これは、そもそもなぜ不貞が不法行為となるのかという視点から考えると理解がしやすいです。

不貞が不法行為となるのは、夫婦生活の平穏(婚姻共同生活の平和)という権利・利益を侵害するからです。その最たるものは、性交渉ということになるでしょう。

しかし、夫婦生活の平穏を侵害し得るのは、なにも性交渉のみではないはずです。自身の配偶者が、第三者と性的な行為をすれば、夫婦生活は危うくなるのが当然です。

とすれば、性交渉に限らず、夫婦生活の平穏を侵害する性的行為は不貞にあたると解釈することが適切なのではないかと思います。

ただ、「性交渉をした場合」と「性交類似行為をした場合」とでは、慰謝料の額に違いが生じ得る(前者よりも後者の方が慰謝料は低額になり得る)でしょう。性交渉をした場合とそれ以外の場合とでは、配偶者が受ける精神的苦痛に差が生じ、慰謝料額にも差が生じることはやむを得ないと思います。

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