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離婚が認められるために必要な別居期間は何年か

最終更新日:2022年2月17日

1 はじめに

離婚の相談の際、相談者の方から、「3年間別居すれば離婚が認められると聞いたのですが、本当ですか?」といった質問を受けることがよくあります。相談者の方によって、「3年」という期間が「5年」などに変わったりもします。

このような質問を受ける理由は、インターネット上に散乱している情報にあるのだと思われます。インターネットを見てみると、「離婚が認められるためには○年の別居が必要」といった情報が載っていたりします。

この記事では、「○年間別居すれば離婚が認められる」という情報が正確なのか、整理をしてみます。

2 「○年間別居すれば離婚が認められる」は正しくない

結論を先に述べますと、「○年間別居すれば離婚が認められる」は正しくありません。

離婚が認められるために必要な別居期間は法律で決まっているわけではなく、裁判例をみても絶対的な基準があるわけではありません。

それでは、離婚が認められるための別居期間を明確に決めることができない理由はどこにあるのでしょうか?

3 離婚事由と別居との関係

離婚が認められるための別居期間を考えるにあたっては、「そもそも、別居がなぜ離婚事由になるのか」を考える必要があります。

離婚事由(裁判所が離婚を認めるために必要な事情)は、民法によって定められています。民法によって定められた離婚事由がなければ、裁判所は離婚を認めることができません。では、別居は、民法が定めた離婚事由のうち、どれにあてはまるのでしょうか?

民法が定める離婚事由は、①配偶者に不貞な行為があったとき②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、の5つだけです。この5つにあてはまらない限り、離婚は認められません。

別居が①〜④にあてはまらないことは明らかですから、残るは⑤だけです。⑤の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」とは、簡単にいえば、「①〜④の事由はないが、この夫婦が婚姻生活を続けることは極めて難しいだろう」という意味合いです。

夫婦には、同居協力義務があります(民法752条)。別居というのは同居協力義務が果たされていない状態ですから、民法が想定する夫婦の在り方に合致しません。このような状態が長く続けば、もはや夫婦としての実態は存在しないという結論に至ります。

つまり、夫婦の本来あるべき姿である同居が解消され、別居が継続すると、「この夫婦は夫婦としての実態を欠き、夫婦生活を継続することはもはや難しいであろう」という結論に行き着くわけです。

4 婚姻を継続し難い重大な事由といえるほどの別居期間とは

ここまでで、別居期間の問題は、「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無の問題であることがおわかりになったかと思います。

では、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」といえるほどの別居期間を明確に決めることはできるのでしょうか?

「夫婦」とひとくちに言っても、結婚して何年になるか、子どもはいるのか、別居後の連絡は続いているのかといった事情は様々です。それぞれの夫婦の事情が個々に全く異なる以上、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」といえるための事情も全く異なることが自然です。

例えば、同じ3年の別居期間であっても、それまでの夫婦生活が20年続いた夫婦と1年しか続いていない夫婦とでは全く重みが異なります。前者では3年の別居期間は短いといえますし、後者では3年の別居期間は長いといえるでしょう。

また、同じ3年の別居期間であっても、別居後に夫婦関係の再構築のために話合いを続けた夫婦と、一切音信不通の夫婦とでは、別居期間の重みは異なるでしょう。

このように、離婚が認められるための別居期間を明確に決めることは不可能なのです。

しいて言えば、「同居期間に匹敵するほどの別居期間が継続している場合」には、さすがに離婚が認められる可能性は高くなるだろうと思います。

5 長期間の別居が継続しないと離婚は不可能なのか?

離婚をしたいと考えている方にとっては、ここまでの記事は希望を挫く内容になってしまったかもしれません。

しかし、悲観的になる必要はありません。

離婚が認められるために相応の別居期間が必要だというのは、あくまでも裁判で離婚を求める場合の話です。

当事者間の協議、または離婚調停であれば、民法が定める離婚事由に拘束されずに離婚を成立させることができます。

筆者の経験上も、ある程度の別居期間(2〜3年程度でしょうか)が続いている夫婦の場合、裁判を経ずに協議・離婚調停で離婚が成立するケースが圧倒的に多いです。

条件面での交渉を経て離婚が成立するケースは多いので、別居期間が短いとしても簡単に諦める必要はありません。

6 おわりに

「離婚をするための別居期間が知りたい」という方には、少し消化不良の内容になってしまったかもしれません。

しかし、安易に別居期間の目安を示すことは有害だと思いますので、ありのままを解説いたしました。

別居期間の重みを判断することは難しいので、安易に即断することなく、一度は弁護士の相談を受けてみるとよいでしょう。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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