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不貞当事者間の求償について

最終更新日:2022年3月19日

1 はじめに

「不貞相手の配偶者から慰謝料を請求され、それなりの金額を支払う」
このようなことは、不貞の事案では珍しくありません。

しかし、問題はこの後です。
不貞慰謝料を支払った後、「なぜ自分だけが慰謝料を負担しなければならないの?不貞相手もそれなりの責任を負うべきではないの?」という疑問が浮かびます。
不貞の責任は不貞をした2人が負うべきであり、このような疑問が浮かぶのは当然です。

この記事では、不貞をした当事者間でどのように慰謝料を負担すべきかという問題について解説いたします。

2 求償権とは何か

不貞をした当事者間でどのように慰謝料を負担すべきかという問題は、法律上の言葉でいうと「求償」の問題です。

では「求償」とは何かというと、簡単にいえば、「あなたが支払うべき分も私が支払ったから、あなたが支払うべき分は私に支払ってね」ということです。このような請求をすることを、「求償権の行使」と表現します。

不貞当事者の間でなぜ求償の問題が生じるかというと、不貞当事者は慰謝料について「(不真正)連帯債務」の関係にあるからです。
連帯債務とは、連帯債務者各自が債権者(不貞をされた配偶者)に対して慰謝料の支払義務を負い、実際に支払った額については連帯債務者の責任割合に応じて分担するという関係を意味します。
不貞当事者はこのような関係にあるからこそ、当事者の一方だけが慰謝料を支払った場合、もう一方に対して責任割合に応じた求償権を行使することができるわけです。

3 責任割合はどのように決めるのか

不貞当事者の間で求償の問題が生じることは上記のとおりですが、次の問題は、「不貞当事者の責任割合はどうやって決まるの?」という点です。

この点に関しては、明確な基準が存在するわけではなく、不貞が始まった経緯(どちらが積極的だったのか)、不貞期間中の経緯(不貞について主導的だったのはどちらか)といった事情を考慮して決めるしかありません。
ただ、一般的には、不貞当事者のうち、不貞被害者の配偶者の方が責任割合は大きくなる傾向にあります
これはなぜかというと、不貞被害者との関係で貞操義務を負うのは配偶者だからです。

不貞相手の側が積極的・主導的であったような場合は別として、基本的には、不貞被害者の配偶者の責任割合の方が大きいといえるでしょう。例えば、不貞被害者の配偶者が6割・不貞相手が4割といった具合に、責任割合に差をつけることになります。

4 実際の処理方法

以上を前提に、仮の事案で不貞当事者間の求償の処理を考えてみます。
登場人物は、不貞をされた妻(X)、不貞をした夫(A)、不貞相手女性(Y)です。
XがYに対して慰謝料を請求し、Yが200万円を支払いました。
その後、YがAに対し、Aの責任割合に応じた金額を求償したという事案です。
YとAとの責任割合は、4割:6割とします。

YがXに支払った200万円が慰謝料の全体額だとすると、本来Yが負担すべき金額は200万円の4割、すなわち80万円です。
Yは、自身の責任割合からすると120万円を過大に負担していることになります。

そうであるとすれば、YはAに対し、Aが負担すべき120万円(200万円の6割)を求償することができるわけです。

5 おわりに

不貞当事者間の求償の問題について解説いたしました。
実際の事案ではもっと複雑な処理になることもあり得ますが、基本的な視点は本記事に書いたとおりです。

なお、実際に求償権を行使するとなると、請求手続の負担が生じますし、求償相手に支払能力がない場合は回収不可能となるリスクも生じます。
このリスクを回避するためには、不貞被害者と慰謝料の取り決めをする段階で、「配偶者への求償権は放棄するので、その分だけ慰謝料を減額してもらえないか」といった交渉をすることがベストです。

慰謝料支払後の求償も踏まえて交渉をするとなると、考えるべきことは複雑になります。是非、弁護士にご相談ください。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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