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離婚後に不貞が発覚した場合に慰謝料請求ができるか

最終更新日:2022年3月15日

1 はじめに

今回の記事では、離婚後に元配偶者の不貞が発覚した場合に慰謝料請求をすることができるのか、という問題について解説いたします。
架空の相談事例として、以下のケースを考えてみます。
(相談事例)
私は、2022年1月に妻と離婚をしました。離婚の原因は、夫婦の性格の不一致です。離婚をする際は特にもめることもなく、離婚届を役所に提出して協議離婚が成立しました。
しかし、離婚をしてから3ヶ月ほど経ったある日、元妻と私の共通の知人から、元妻が私との結婚期間に不貞をしていたと明かされました。
半信半疑で元妻に確認をしてみると、元妻は、私との結婚期間に他の男性と不貞をしていたことを認めました。
既に離婚をした後ですが、元妻が不貞をしていたことが許せず、元妻と不貞相手に対して慰謝料を請求したいと考えています。

2 離婚後の不貞発覚の問題点

そもそも、離婚後に不貞が発覚した場合、なぜ慰謝料請求をする上で問題が生じるのでしょうか?
これを考えるためには、離婚慰謝料の性質を理解しなければなりません。

離婚慰謝料とは、簡単にいえば、「離婚を余儀なくされたことによって発生した精神的苦痛」に対する損害賠償です。
不貞によって離婚をする場合、「円満な夫婦生活が不貞によって破壊され、精神的苦痛を受けた」という点が離婚慰謝料の中核となります。

これを前提とすると、上に記載した相談事例では、「そもそも不貞があったかどうかにかかわらず、夫婦の性格の不一致によって離婚をしたのではないか。だとすれば、不貞によって離婚を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたという関係は成り立たないのではないか?」という疑問が生じるのです。

3 裁判例ではどのように判断されているか

「不貞の有無にかかわらず離婚をしたのだから、慰謝料を認める必要はないのではないか?」という視点は、一見すると筋が通っており説得力があります。
ただ、過去の裁判例では、必ずしもこのような割り切った判断はなされていません。

一例として、東京地方裁判所・平成28年2月18日判決をご紹介いたします。
この裁判例の事案では、夫婦が離婚をした後、元妻が原告となり、元夫の不貞相手女性に対する慰謝料請求がされました。そして、判決では、「原告は離婚の際に元夫と被告が不貞行為をしていたことを知らなかった」という事実が認定されています。
先に述べた理論が通用するなら、この裁判例では原告の慰謝料請求は認められないはずです。しかし、判決では、特に詳細な理由を述べることもないまま、被告が70万円の慰謝料義務を負うとの判断がされました。

4 離婚後の不貞発覚について慰謝料が認められる理由

前記3の判決が慰謝料請求を認めた理由はどこにあるのでしょうか?

これは、「離婚に至った原因が何なのかではなく、結婚期間に不貞をされたこと自体によって受けた精神的苦痛を考慮しているから」だと思われます。
離婚に至った原因が不貞以外にあるとしても、結婚期間に不貞があったことを知った側は、相応の精神的苦痛を受けます。これは、離婚慰謝料というよりも、不貞慰謝料(不貞をされたこと自体によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償)の性質を多く含むものです。
「不貞と離婚」という関係を重視すれば慰謝料請求を否定する方向に傾きますが、「不貞それ自体によって受けた精神的苦痛」という点を重視すれば、慰謝料請求を否定する理由はないでしょう。

5 おわりに

以上のとおり、離婚後に不貞が発覚した事案であっても、慰謝料請求をする道が閉ざされるわけではありません
ただ、不貞が原因で離婚に至った事案と比較した場合、認められる慰謝料額がやや低額になる可能性は高いでしょう。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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