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中絶による慰謝料などを認めた裁判例(東京地裁・平成27年9月16日判決)

最終更新日:2022年1月21日

1 はじめに

男女が交際をする中、予期せず妊娠をしてしまうことがあります。

そして、予期せぬ妊娠の場合、女性が中絶を選択することを余儀なくされることもあります。

中絶を選択すること自体は女性の意思決定であるとしても、女性のみが中絶による精神的・肉体的苦痛を受けることは妥当なのでしょうか。

このような問題に関連する裁判例を紹介いたします。

2 裁判例の事案の概要

ご紹介する裁判例の事案の概要は次のとおりです。

原告は女性、被告は男性であり、両者は交際関係にありました。

原告と被告との交際が破局した後間もなく、原告が被告の子を妊娠していることが判明しました。

原告は、交際が破局した後ではあるものの、妊娠の事実を被告に報告し、話し合いを求めました。

しかし、被告が原告からの連絡に誠実に対応することはありませんでした。

このような経緯を踏まえ、原告は被告に対し、慰謝料などの支払いを求めて訴訟を提起しました。

3 裁判例の判断内容

裁判例では、結論として、被告が原告に対し約37万円の損害賠償義務を負うとの判断がされました。

裁判例は、結論を導いた理由として、以下のように述べます。

「被告は、中絶による身体的・精神的苦痛や経済的負担を原告と応分に負担すべき義務を負い、原告は、被告による上記応分の負担を受ける法的利益を有するというべきである。」、「原告のみが中絶による身体的・精神的・経済的不利益を負担しているのであるから、被告には上記義務の違反があり、原告の法律上保護される利益を違法に侵害したものとして、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償義務を負うというべきである。」

4 コメント

裁判例が理由として掲げる内容は正しい方向性だと思います。

ただ、認められた損害額は、中絶という苦痛に比べると低額に過ぎるのではないかとの疑問が生じます。

記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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