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モラルハラスメントについて知りたい

最終更新日:2022年2月11日

1 モラルハラスメントとは何か

モラルハラスメント(モラハラ)という言葉は広く知れ渡っていますが、モラルハラスメントについて法律上の定義があるわけではありません。

一般的に、モラルハラスメントとは、「言葉や態度で繰り返し相手を攻撃し、相手の人格を傷つける精神的暴力」と理解されています。

ただ、このような定義は抽象的であり、実際の事案ではモラルハラスメントにあたるか否かが争われることが多くります。

2 モラルハラスメントの加害者・被害者の特徴

モラルハラスメントが問題となる事案では、加害者・被害者ともに、一定の特徴をもっていることが多くあります。

(1) 加害者の特徴

モラルハラスメント加害者の特徴として、うまくいかないことを他人のせいにする(他責的)傾向があるといわれています。

言い換えれば、モラルハラスメント加害者には、「自己愛的な」傾向があるということもできるでしょう。

自己愛的な傾向の有無を判断するための国際的な分類基準(DSM-Ⅴ)では、次の9項目のうち5つを満たす場合、自己愛性人格障害と診断するとされています。

①自分の重要性および才能についての誇大な,根拠のない感覚(誇大性)

②途方もない業績,影響力,権力,知能,美しさ,または無欠の恋という空想にとらわれている

③自分が特別かつ独特であり,最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている

④無条件に賞賛されたいという欲求

⑤特権意識

⑥目標を達成するために他者を利用する

⑦共感の欠如

⑧他者への嫉妬および他者が自分を嫉妬していると信じている

⑨傲慢,横柄

(2) 被害者の特徴

モラルハラスメント被害者の特徴として、一般的には、「罪悪感を抱きやすく、何事についても自分が悪いと考える性格」が挙げられます。

これは、モラルハラスメント加害者の特徴と真逆です。

モラルハラスメント被害者は、自分が被害を受けていることを自覚しないまま、自らを責めてしまう傾向にあります。

3 モラルハラスメント行為の典型例

モラルハラスメントの実態は様々ですが、典型的なモラルハラスメント行為がいくつか存在します。

自分がモラルハラスメント被害を受けているのか判断できないという方は、モラルハラスメント行為の典型例を確認することによって自覚ができるかもしれません。

以下、典型的なモラルハラスメント行為を挙げてみます(本田りえ・露木肇子・熊谷早智子『「モラル・ハラスメント」のすべて 夫の支配から逃れるための実践ガイド』(講談社、2013年)より引用)。

・怒鳴る。強い口調で命令する。

・何時間もしつこく説教する。問いつめる。反省文を書かせる。

・土下座を強要して謝らせる。

・あなたが大切にしている物を壊す。勝手に捨てる。

・あなたが病気になっても看病しない。病院に行かせない。

・財布・携帯を取り上げ、部屋に閉じ込める。

・「殺すぞ」「死ね」などと脅す。

・「出ていけ!」という。家から締め出して、なかに入れない。

・何を言っても無視して口をきかない。

・大きな音を立てて(ドアを閉めるなどして)威嚇する。

・あなたの実家や親戚、友達をばかにして悪口を言う。

・あなたが人前でした発言・行為についてダメ出しをする。

・「頭が悪い」「役立たず」「何をやらせてもできない」などと言って侮辱する。
・異常な嫉妬をする。
・料理に不満を言う。作っても食べない。

・服装・髪型・体型などの好みを押し付け、従わないと怒る。

・自分のメールにすぐ返信しないと(電話にすぐに出ないと)怒る。

・生活費を渡さない。またはわずかしか渡さない。

・あなたには極端な節約を強いるが、自分の趣味にはお金を惜しまない。

4 モラルハラスメントに対する法規制

ここまでは、モラルハラスメントとは何かといった点を解説しました。

それでは、実際にモラルハラスメント被害を受けた場合、これに対抗する手段はあるのでしょうか?

この項目では、モラルハラスメントに対する対抗手段(法規制)として考えられるものを解説いたします。

(1) ストーカー規制法

ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)では、特定の者に対する恋愛感情等に基づく乱暴な言動も規制の対象に含まれています(ストーカー規制法2条1項4号)。

そして、上記の乱暴な言動が、被害者の身体の安全、住居等の平穏、名誉を侵害し、または行動の自由を著しく害す不安を覚えさせるような方法により何度も行われた場合には、ストーカー行為(ストーカー規制法2条4項)として警告や禁止命令の対象となり得ます。

既に別居をしているのにモラルハラスメント被害が止まない場合は、ストーカー規制法による対処を検討してもよいでしょう。

(2) DV防止法

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)では、「心身に有害な影響を及ぼす言動」も「暴力」にあたるとされています(DV防止法1条1項)。

そのため、モラルハラスメント被害を受けている場合は、配偶者暴力相談支援センターなどで相談を受けることができます。

ただ、現行のDV防止法では、生命・身体に対する脅迫に至らないモラルハラスメント行為がされた場合、保護命令を申し立てることはできません。

DV防止法については別ページにて詳しく解説をしていますので、こちらをご覧ください。

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(3) DV等支援措置

モラルハラスメント被害を受けている場合、市区町村に対してDV等支援措置を申し出ることができます。

DV等支援措置が決定されると、加害者が被害者の住民票などを取得することが制限されます。

加害者に別居先の住所を知られたくない場合には有効な手段です。

(4) 慰謝料請求

モラルハラスメントを受けて結婚生活が破綻した場合などには、加害者に対し、不法行為(民法709条)に基づく慰謝料請求をすることが考えれます。

これは、モラルハラスメント被害の防止目的というよりも、過去になされたモラルハラスメントについて、精神的苦痛を金銭で賠償してもらうことを目的とするものです。

5 おわりに

これまで解説したとおり、モラルハラスメント被害は自覚しにくいものです。

もし家庭生活で違和感を抱くことがあれば、本ページに記載した客観的な指標にあてはめてご自身の状況を整理してみることをお勧めいたします。

モラルハラスメント被害から逃げるためには、別居という選択をせざるを得ない場合が多くあります。

別居は重い決断ですが、別居をするにあたって考えるべきことを整理すれば、第1歩を踏み出せるかもしれません。

別居にあたって考えるべきことについては、別ページにて詳しく解説しております。よろしけば、こちらもご覧ください。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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