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DV(ドメスティック・バイオレンス)について

最終更新日:2022年2月10日

1 DVとは何か

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者・内縁・恋人など、親密な関係にある者の間で行われる暴力を意味します。

ここでいう「暴力」とは、殴る・蹴るといった身体的な暴力に限られません。

心無い言動によって相手方の心を傷つけること(精神的暴力)や、嫌がっているのに性的行為を強要すること(性的暴力)も「暴力」にあたり、DVに該当します。

2 DV被害の特殊性

DVは、家庭内など閉ざされた空間で行われることが多いため、当事者以外の人間には発覚しにくいものです。

また、DV被害を受けている方は、加害者に対する恐怖心を抱き、周囲に相談ができないまま問題を抱えてしまうことも多くあります。

ひどい事案ですと、ご自身がDV被害を受けていることを自覚することができないまま、問題を抱え続けてしまうこともあります。

DV事案において大事なのは、まずご自身がDV被害を受けていることを自覚し、家庭などの外に助けを求めることです。

3 DV防止法について

DV被害を受けている方に対しては、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(以下、「DV防止法」と略します)という法律により保護が図られています。

(1) DV防止法は夫婦以外にも適用されるのか

DV防止法の正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」であり、字面だけを見ると夫婦以外には適用されないようにも思えます。

しかし、DV防止法は、「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」(いわゆる内縁関係)に対しても適用されます(DV防止法1条3項)。

また、平成26年1月3日にDV防止法の改正が施行された結果、「生活の本拠を共にする交際」も適用対象に含まれることになりました。

以上によれば、DV防止法の適用対象は次のとおりです。

①夫婦(離婚した場合を含む)

②内縁(内縁を解消した場合を含む)

③生活の本拠を共にする交際(既に交際が解消された場合を含む)

(2) DV防止法によって規制される行為は何か

DV防止法が規制するのは肉体的な暴力に限られるのか、それ以外の精神的暴力も含まれるのか、疑問に思われる方は多いと思います。

DV防止法は、「配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう」(DV防止法1条1項)とともに、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」(DV防止法1条1項)を、「配偶者からの暴力等」と定義しています。

また、「被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫」を行った場合も、保護命令の対象になると定めています(DV防止法10条)。

これをまとめますと、DV防止法によって規制される行為は次のとおりです。

①配偶者からの身体に対する暴力

②暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動

③生命又は身体に対する脅迫

なお、現在、DV防止法の改正が議論されています。改正案では、上記①〜③のほか、精神的暴力(いわゆるモラルハラスメント)や性的暴力も保護命令の対象に含める方針であるようです。改正案が成立かは未定ですが、今後の動向を注視し、新たな情報が判明しましたら当WEBサイトにてご紹介いたします。

4 保護命令について

(1) 保護命令とは何か

保護命令とは、DV防止法10条以下に定められた措置です。

DVの被害者が、加害者からさらなる暴力などを受ける危険性がある場合に、裁判所が加害者に対し一定の命令を発し、被害者が危険に曝されることを防ぐ措置です。

(2) どのような命令を行うことができるのか

保護命令を発する場合、加害者に対し命じることのできる事項は次のとおりです。

・接近禁止命令

DV防止法10条1項1号に定められた措置です。

DV防止法10条1項1号の条文をそのまま抜き出すと次のとおりです。

「命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この号において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。」

要するに、「加害者は、6か月間、被害者につきまとったり、被害者が通常所在する場所やその付近を徘徊してはならない」という命令です。

・退去命令

DV防止法10条1項2号に定められた措置です。

DV防止法10条1項1号の条文をそのまま抜き出すと次のとおりです。

「命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。」

要するに、「加害者は、2か月間、被害者と同居している自宅に立ち入ってはならず、自宅付近を徘徊することも禁じる」という命令です。

この命令は、加害者を一定期間自宅から遠ざけ、その間に被害者が転居の準備を整えることを目的とするものです。

・電話等禁止命令

DV防止法10条2項に定められた措置です。

加害者が被害者へ電話等をすることを禁じることができます。

具体的な禁止事項は次のとおりです。

1 面会を要求すること。

2 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

3 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

4 電話をかけて何も告げず、又は緊急やむをDV得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信すること。

5 緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールを送信すること。

6 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。

7 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

8 その性的恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。

・子への接近禁止命令

DV防止法10条3項に定められた措置です。

加害者が、6か月間、子の住居、就学する学校などにおいて子の身辺につきまとうことや、子の住居、就学する学校などの付近を徘徊することを禁じることができます。

注意が必要なのは、子への接近禁止命令は、子に危険が及ぶことを防ぐことを目的とするのではなく、DV被害を受けている配偶者に危険が及ぶことを防ぐ目的で発せられるという点です。

また、子が15歳以上である場合、子の同意がなければ命令を発することができません。

DV防止法10条3項は、「配偶者(※DV加害者のことです)が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるとき」に子への接近禁止命令を発すると定めています。

要するに、DV加害者が子に接近することによって被害者に危険が及ぶことが想定される場合には、DV加害者が子に接近することも禁止する必要がある、ということです。

・親族への接近禁止命令

DV防止法10条4項に定められた措置です。

DV加害者が、6か月間、被害者の親族等の住居、その他の場所において親族等の身辺につきまとうことや、親族等の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近を徘徊することを禁じることができます。

この措置の目的は、子への接近禁止命令と同じです。

DV加害者が被害者の親族に接近することによって被害者に危険が及ぶことが想定される場合には、DV加害者が親族に接近することも禁止する必要がある、ということです。

(3) 保護命令を発令してもらうための要件は何か

DV事案において最も重要なのは、「保護命令を発してもらうためには、どのような要件を満たす必要があるか」という点です。

既に説明したとおり、保護命令が出された場合、加害者は行動を大幅に制限されます。このように、保護命令が出された場合の加害者の制約は大きいため、保護命令を発するための要件は厳し目に設定されています。

具体的な要件は以下のとおりです。

①暴力・脅迫

被害者が過去に加害者から身体に対する暴力を受けたこと、または、生命等に対する脅迫を受けたことが要件となります。

②暴力による重大な危害のおそれ

過去に身体に対する暴力がなされた場合、加害者からのさらなる身体に対する暴力によって、被害者の生命または身体に重大な危害が生じるおそれが大きいと認められることが要件となります。

また、過去に生命等に対する脅迫がなされた場合、脅迫の内容が現実化すること、つまり、加害者からの身体に対する暴力によって、被害者の生命または身体に重大な危害が生じるおそれが大きいと認められることが要件となります。

③配偶者暴力相談支援センターや警察への相談

保護命令を申し立てる場合、事前に、配偶者暴力相談支援センター、または警察に相談をし、相談内容を証明する文書を取得する必要があります(DV防止法12条1項5号)。

要するに、しかるべき機関にDVの相談をし、その相談票を交付してもらう必要があるということです。

事前相談に行かない場合、DV被害の内容について公証役場で宣誓供述書を作成するという代替手段もありますが(DV防止法12条2項)、基本的には事前相談を先行させるべきです。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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