不貞相手との交際関係を解消したい方へ
最終更新日:2022年2月19日
1 不貞相手との交際関係を解消する際のトラブル
既婚者でありつつ、配偶者以外の相手と交際関係をもってしまう方は多くいらっしゃいます。
このような不貞(不倫)関係が、配偶者との間のトラブルの種になることは当然です。しかし、それだけではなく、不貞相手との関係でトラブルになることも珍しくありません。
不貞相手との間でトラブルが生じるのは、「不貞相手との関係を断とう」と考えたときです。このとき、不貞相手から恨みを買い、慰謝料請求をされたり、場合によってはストーカー行為をされたりするリスクが生じます。
2 不貞相手とのトラブルが発生したときの対処法
不貞相手とのトラブルが発生してしまった場合、基本的には話し合いによって解決を図ることが妥当です。
不貞当事者間のトラブルは、一部の例外を除いて裁判手続による解決が図りにくい分野ですから、当人同士が納得できる解決点を話し合うことが解決の筋道となります。
当然ですが、このような話し合いは簡単ではありません。交際が続いている間は円満な関係であっても、これを解消する場面では感情的な対立が激しくなることが多いです。
当事者同士の話し合いでは解決の目処が立たない場合、弁護士が介入することによって話し合いを進めることが適切です。
「不貞当事者同士のトラブルに弁護士が関与できるの?」という疑問をお持ちになる方もいらっしゃると思いますが、弁護士が関与すべき場面は実際にあります。
当事務所でも、不貞相手とトラブルになった方から依頼をお受けし、関係解消の合意を成立させた事例があります。
3 不貞関係解消のために金銭を支払うべきか
不貞関係の解消を提案した際、相手から慰謝料などを請求されることがあります。
相手からすれば、「一方的に関係を解消され、精神的苦痛を受けた」というわけです。
このような慰謝料請求が法的に認められるかといえば、基本的に認められることはありません。不貞相手としても、自身が不貞行為をしていることを認識しつつ不適切な関係を継続したのですから、関係を解消されたとしても法律上の権利・利益が侵害されたとは言い難いのです。
ただ、法律上の理屈でいえば、「関係解消によって慰謝料支払義務が発生するものではない」と反論すればよいのですが、正面から反論をしてしまうと話し合いが決裂する可能性が高まります。
円満に関係を解消することを最優先とする場合、法律上の理屈は脇に置き、ある程度の解決金を支払って合意を成立させることもあり得ます。
この点については、相手が何を求めているのか(金銭なのか、真摯な謝罪なのか)によって取るべき方針が変わりますから、ケースバイケースの判断となります。
4 おわりに
不貞相手とのトラブルは精神への負荷が大きいものです。
また、トラブルの性質上、家族や友人に相談することもできず、1人でトラブルを抱え込んでしまうケースが多いです。
1人でトラブルを抱え込んで身動きができなくなる前に、是非弁護士にご相談ください。
一緒に解決策を考えましょう。
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記事投稿者プロフィール
下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627
専門分野:離婚事件、男女関係事件
経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至ります。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでおります。