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協議離婚・調停離婚・裁判離婚の違いについて

最終更新日:2022年3月8日

1 離婚には大きく3種類の手続がある

 協議離婚・調停離婚・裁判離婚という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
 ただ、「それぞれの手続は一体何が違うの?」というご質問は多く、言葉は知っていても、その正確な意味はわかりにくいものです。
 このページでは、協議離婚・調停離婚・裁判離婚について、それぞれの概要を解説します。

2 協議離婚について

(1) 協議離婚とは

 「協議離婚」とは、簡単にいえば、裁判所の手続を経ずに、夫婦間の話し合いで離婚を成立させる手続です。

(2) 協議離婚を成立させるために必要なことは何か

 協議離婚を成立させる際に最低限必要なのは、①離婚をすることについての合意、②子どもの親権者の定め(夫婦の間に子どもがいない場合は不要です)の2つです。
 ①が必要なのは当然ですが、離婚を成立させる際には子どもの親権者を必ず定めなければなりませんから、②も必要となることに注意が必要です。

(3) 慰謝料・財産分与・養育費の取り決めは必要なの?

 協議離婚を成立させる際、慰謝料・財産分与・養育費といった条件の取り決めも必要だと誤解される方もいらっしゃいます。
 しかし、実は、慰謝料・財産分与・養育費といった取り決めは、離婚を成立させるために必要不可欠なものではありません
 慰謝料・財産分与・養育費自体を取り決めなくてもよいですし、離婚届を役所に提出した後、別途話し合いをすることもできます。
 「早く離婚を成立させたいけど、慰謝料・財産分与・養育費といった条件がまとまらない」という場合、先に離婚届を提出し、後にゆっくりと話し合いをすることも可能です。
 ただ、慰謝料・財産分与を請求する場合、請求できる期間に制約があります。慰謝料は離婚後3年を経過すると基本的に請求できませんし、財産分与は離婚後2年を経過すると請求することができなくなります。

(4) 離婚協議書は作った方がいいの?

 協議離婚を成立させる際、離婚協議書を作ることがあります。
 離婚協議書とは、離婚に関する約束を文書化したものです。たとえば、養育費の金額や支払方法を取り決めた場合、取り決めた内容を文書にし、夫婦双方が署名・捺印をして離婚協議書を作ります。
 単に離婚をするだけであれば離婚協議書を作る必要性は高くないのですが、慰謝料・財産分与・養育費といった取り決めをする場合は、必ず作成すべきです。
 離婚協議書を作らず、口約束だけのままですと、約束が果たされない場合に困ることになります。後にトラブルになった場合に、離婚協議書があれば約束の内容を立証することができます。
 離婚協議書については別ページにて詳しく解説しておりますので、以下のリンクをご覧ください。
 >>離婚協議書について

(5) 公正証書は作った方がいいの?

 協議離婚を成立させる際、公正証書を作ることもあります。
 この点については、「公正証書を作った方がいいの?そもそも公正証書って何?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
 離婚に関する取り決めを文書化するだけなら、夫婦間の離婚協議書でも用は足ります。
 わざわざ公正証書を作るメリットは、「金銭支払いに関する約束が守られなかった場合、裁判を経ることなく強制執行に着手できる」という点にあります
 たとえば、養育費を取り決めたのに、離婚後支払いがされない場合、公正証書を作っていないとどうなるでしょうか?この場合は、裁判を起こして未払養育費を請求し、判決を得た後にはじめて強制執行に着手できるのです。これは大きな手間です。
 対して、公正証書で養育費の取り決めをしておけば、支払いがされなくなった時点ですぐに強制執行に着手できます。
 基本的には、お金に関する約束をする場合は公正証書を作ることをおすすめいたします。特に、養育費など長期にわたる支払いが必要なお金に関しては、公正証書を作ることは必須といえるでしょう。

3 調停離婚について

(1) 調停離婚とは

「調停離婚」とは、家庭裁判所の離婚調停によって離婚を成立させる手続です。
 協議離婚との違いは、「家庭裁判所の関与のもと話し合いをするか否か」という点にあります。
 離婚調停では、調停委員会(裁判官1名・調停委員2名)という組織が構成され、調停委員会の関与のもと、離婚に関する話し合いを進めていきます。

離婚調停については、以下のページでも解説しております。

>>離婚調停の申し立てを考えている方へ

>>離婚調停を申し立てられた方へ

(2) 離婚調停についてよくある誤解

 離婚調停は家庭裁判所の手続として行われるものですが、裁判と違い、何かを命じられるものではありません。
 この点はよく誤解される方が多いポイントです。
 離婚調停は、あくまでも夫婦間の合意によって成立する手続です。夫婦の一方が同意しないのに、無理矢理離婚を命じられたり、金銭の支払いを命じられたりするものではありません。

(3) 協議離婚と比べた場合のメリット

 「離婚調停は夫婦間の合意が必須なのだとすれば、協議離婚を成立させればよいのでは?」という疑問をお持ちになった方もいらっしゃるでしょう。
 たしかに、円満に話し合いができる夫婦であれば、あえて離婚調停を利用する必要はないかもしれません。
 ただ実際には、円満に話し合いをすることができない場合も多くあるのです。夫婦間の話し合いでは埒があかない場合、離婚調停という場で、調停委員会の関与のもと話し合いを進めることによって解決が実現することもあります
 そして、無事話し合いがまとまった場合は、離婚に関する約束を裁判所が文書化(「調停調書」という文書です)してくれます。そして、お金に関する約束を調停調書に記載すれば、約束が破られた場合に強制執行をすることもできます。

(4) 離婚調停の限界

 調停離婚には協議離婚にはないメリットがありますが、話し合いという性質上、限界はあります。
 夫婦の一方が頑なに離婚を拒否したり、調停に出席しない場合、離婚調停によって解決をすることはできません。
 話し合いが難しいとなれば、いよいよ裁判離婚の出番です。

4 裁判離婚について

(1) 裁判離婚とは

 「裁判離婚」とは、離婚裁判(人事訴訟)によって離婚を求める手続です。
 離婚裁判では、離婚それ自体のほか、養育費・慰謝料・財産分与といった様々な請求をすることができます。
 裁判である以上、協議離婚や調停離婚とは違い、夫婦間の話し合いがベースとなる手続ではありません。

 (2) 裁判離婚のメリット

 裁判離婚のメリットは、「夫婦の一方が離婚を拒否しても、裁判所によって強制的に離婚を命じることができる」ことにあります。
 協議離婚・調停離婚では夫婦の合意が必須ですが、裁判離婚では、民法が定める離婚事由(民法770条1項参照)があれば、強制的に離婚を成立させることができます。

(3) 裁判離婚のデメリット

 裁判離婚のデメリットは、メリットの裏返しです。
 民法が定める離婚事由がない限り、離婚を成立させることができません(裁判上の和解が成立する場合は除きます)。
 民法が定める離婚事由は、離婚を求める側が立証しなければなりません。裁判における立証のハードルは決して低くありませんから、離婚事由を立証するための証拠が不足すると、離婚が認められない可能性が高くなります。

(4) 調停前置主義に注意

 最後に、離婚裁判を起こすにあたっての手続的な注意点を述べておきます。
 離婚裁判を起こすためには、原則として離婚調停を経なければなりません。離婚調停を経ずにいきなり裁判を起こしても、裁判所の職権で離婚調停に付されてしまいます(家事事件手続法257条)。
 以上の原則を「調停前置主義」といいます。
 「どうせ調停をしても無駄だから、早く裁判を起こしたい」と思っても、手続上の制約から難しいのです。

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記事投稿者プロフィール

下大澤 優 弁護士 仙台弁護士会所属 登録番号49627

専門分野:離婚事件、男女関係事件

経歴:静岡県出身。中央大学法学部法律学科、東北大学法科大学院を経て、平成26年1月に弁護士登録。仙台市内の法律事務所での勤務を経て、平成28年1月、仙台市内に定禅寺通り法律事務所を開設し、現在に至る。主に離婚事件・男女問題トラブルの解決に取り組んでいる。

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